コラム・睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

今回は最近高血圧や不整脈などの循環器疾患の原因として重要視されてきている“睡眠時無呼吸症候群 ”についてふれてみたいと思います。

睡眠時無呼吸症候群の定義
●無呼吸とは10秒以上の呼吸の停止。
●睡眠中に1時間で10回以上の無呼吸がある。
●一晩7時間の睡眠で30回以上の無呼吸がある。
程度を 1時間平均の無呼吸の回数(AI)や1時間平均の無呼吸と、低呼吸を会わせた回数(AHI)で判断する。

睡眠時無呼吸症候群の分類
●閉塞型 ――上気道が閉塞して無呼吸が起きる。
問題になっている睡眠時無呼吸症候群の多くはこのタイプ。
●中枢型 ――脳の呼吸中枢の機能が低下し無呼吸が起きる。
●混合型 ――閉塞型と中枢型の混合するタイプ。

睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)の原因
肥満による脂肪沈着や扁桃肥大などにより軟口蓋という部分が左図のように後ろに突出し閉塞を起こす。

予後
●最近、高血圧(特に夜間高血圧、早朝高血圧)や不整脈などの循環器疾患の原因として重要視されてきています。
●1時間平均の無呼吸の回数(無呼吸指数AI)が20以上の人は放置すると死亡率が高いため、治療の対象となります。

症 状
●いびき
●日中の眠気
●熟眠感がない
●起床時の頭痛
●睡眠中に呼吸が止まる

診断~治療
症状等から睡眠時無呼吸症候群が疑われる。
             ↓
携帯型終夜睡眠ポリグラフィーでスクリーニング
             ↓
入院し終夜睡眠ポリグラフィーで精密検査
             ↓
無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上で治療考慮

治療
中等~重症の睡眠時無呼吸症候群には、CPAP療法が治療の第一選択といわれています。

<内科的治療>
CPAP  (経鼻的持続陽圧呼吸法)

一般的に広く行われている治療法です。
鼻と口にマスクをつけ空気を送り圧力を加えて閉塞をとります。

<歯科的治療>
マウスピース

<外科的手術>
咽頭、扁桃、アデノイド切除など

薬物療法(現在は有効な薬剤はない。)

当院でも簡易型終夜睡眠ポリグラフィーを導入し、睡眠時無呼吸症候群の診療を行っています。
いつでもご相談ください。


坂口医院 内科・循環器内科
坂口 好秀