TBSの朝の報道情報番組“あさチャン”の取材で【血圧の左右差】についてお話ししました。

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血圧の左右差

平成30年5月16日のTBSの朝の報道情報番組“あさチャン”の取材を受けました。テーマは“血圧の左右差”でした。そこで少し血圧の左右差に関して触れておきます。一般的には右の上腕の血圧が左の上腕よりわずかに高いことが多いと言われています。これは大動脈からの上肢へ行く血管( 鎖骨下動脈) が、左側より右側で早く分岐することによると説明されています。しかし、上肢の収縮期血圧(上の血圧)の左右差が10~20mmHg以上は異常と考え原因精査が必要です。異常な血圧の左右差を認めた時には下記の病気の存在が疑われます。

  • 動脈硬化症による鎖骨下動脈狭窄または閉塞
  • 大動脈解離
  • 大動脈炎症候群
  • 放射線治療後
  • 外傷・カテーテル操作による動脈解離

この病気の中で頻度が高いのは上肢に行く血管(鎖骨下動脈)の動脈硬化による狭窄または閉塞です。したがって動脈硬化の精査を行う必要があります。
テレビに出演していただいた患者さんは上肢の収縮期血圧(上の血圧)が右178mmHg、左110mmHgと68mmHgの左右差を認めていました。このときの動脈硬化の精密検査で左の上肢に行く血管(左鎖骨下動脈)に狭窄を認めていました。

また、両側の脳に行く血管(頚動脈)、下肢の動脈にも動脈硬化が見つかっています。
動脈硬化による血圧の左右差は急には起こらないので毎回左右の血圧を測定する必要はないでしょう。数ヶ月~半年に1回程度で良いと思います。ただし、片側の上肢のしびれやだるさが急に起こった場合にはすぐに測定してください。そして血圧の左右差を調べる場合には注意が必要です。血圧は1回目の測定値が2回目、3回目より高いことが多く、左→右あるいは右→左と1回ずつの測定であれば、実際には左右差がなくても2回目に測定した側が低くなることがあります。そのため左→右→左→右,と必ず左右2回ずつ測定し、後半2回の血圧値あるいはそれぞれ2回の平均で左右差の有無を判定することが大事です。

坂口医院 内科・循環器内科
坂口 好秀